このたび月見の里学遊館は、ゴスペルオペラ『トゥリーモニシャ』(作曲/スコット・ジョプリン、音楽監督/港大尋、演出/大岡淳、出演/佐山花織、VOJA他)を予定通り、3月20日17時開演、21日15時開演で、当館うさぎホールにて上演することにいたしました。
東北・関東大震災という未曽有の国難に襲われ、静岡県内にも様々な影響が及んでいる状況で、舞台芸術を楽しんでいてよいのか、という気持ちは、私たちにももちろんあります。しかし、震災は静岡県民にとって全く他人事ではなく、多くの方が不安な気持ちで日々を過ごし、ニュースを注視しておられることと思います。私たちとしては、このようなときだからこそ、舞台芸術を通して、お客様を励ましていかねばならないと考えました。時節柄、音楽や演劇を楽しむなど不謹慎であるとの御批判もあろうかと思われますが、今はこの芝居を上演することこそが、私たちなりの社会貢献のありかただと考えております。
偶然にも今回は、コミュニティの危機を助け合いとリーダーシップによって乗り切っていく、アメリカの黒人たちの物語です。子供から大人まで楽しめる、愉快なミュージカルに仕上がっております。今この状況だからこそ、このミュージカルが皆様のお心に勇気を与えられるものと信じ、関係者一同、全力投球でこの舞台を作り上げて参ります。
とりわけ、出演者である俳優・歌手・ミュージシャンの方々は、このたび、首都圏から袋井に駆けつけて下さいました。ご承知の通り、首都圏もまた震災によって大きな被害・影響を受けております。その渦中で暮らしておられる方々が、この袋井の地で『トゥリーモニシャ』をお客様方に見ていただきたいという気持ちを強く持っておられます。ぜひ、この舞台を鑑賞することを通して、 彼らからのメッセージを受け取っていただきたいと思います。
また、本番当日は、関係者一同の呼びかけにより、被災地域への義援金を募りたいと考えております。
もとより安全管理につきましては、平素より万全を期してはおりますが、なおいっそう細心の注意で進めて参ります。お客様方におかれましては、大変な時期ではありますが、『トゥリーモニシャ』を楽しんでいただけば幸甚に存じます。
最後になりますが、関係者一同を代表し、このたびの東北・関東大震災で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。また、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
月見の里学遊館芸術監督 大岡 淳
満員の客席でとても楽しい「トゥリーモニシャ」日本初演を体験させていただき、有難うございました。成功おめでとうございます。
さきほど東京の自宅に帰り着きました。
迷いましたが出かけてよかったです。
実は、なるべくジョプリンの楽譜の通りの上演が聴きたかったのですが、今回の設定変更や編曲(作曲)は嫌みがなく、ジョプリンの誠実さ、まじめさも良く生きており、まとまった楽しい舞台になっていたと感じました。
「ゴーイングアラウンド」で、もういきなり、あまりの楽しさに涙ぐんでしまいました。(いいおっさんなのにちょっと恥ずかしかった)
倉地さんはじめキャスト&バンドの方々全員すばらしかったです。
さいご、「え? リアルスロードラッグやらないの??」と、がっかりしかけましたが、ばっちり聴けてよかった! 笑
たいへん楽しかったです。
2日目もがんばってください。
21日の舞台を拝見しました。
震災後、観劇予定のものが相次いで中止となっていたところ、ジョプリン決行のお知らせに小躍りしました。
音楽はすばらしかったと思います。ただ、この手のリズムに日本語歌詞は無理があると思いました。またマイクを使うのが「ミュージカル」の「常識」なのかもしれませんが、この程度のホールであればマイクなしでやってほしかったです。
ストーリーに関してですが、この作品が作られた時代やジョプリンという人物について考えなければならないと思うものの、「白人」に媚びている印象が残りました。おそらく「オリジナル」にだいぶ手を加えていると思いますので、だったら「白人の手の上で楽しく踊ろう」という選択の結果である現状に対し、さらにもう一捻り、演出家の「思想」があってもよかったのかなと思いました。
最後に、ゾデトリックに対する演出のわざとらしさといいますか、「笑いとり」のたびに興ざめました。
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